名もない時代の集落の
名もない幼い少年の
誰も知らないおとぎばなし
産まれついた時から
忌み子 鬼の子として
その身に余る 罰を受けた
悲しいことは何も無いけど
夕焼け小焼け 手を引かれてさ
知らない知らない
僕は何も知らない
叱られた後のやさしさも
雨上がりの手の温もりも
でも本当は本当は本当は本当に寒いんだ
死なない死なない
僕は何で死なない?
夢のひとつも見れないくせに
誰も知らないおとぎばなしは
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
♪
吐き出すような暴力と
蔑んだ目の毎日に
君はいつしかそこに立ってた
話しかけちゃだめなのに
「君の名前が知りたいな」
ごめんね名前も舌も無いんだ
僕の居場所は
何処にも無いのに
「一緒に帰ろう」
手を引かれてさ
知らない知らない
僕は何も知らない
君はもう子供じゃないことも
慣れない他人の手の温もりは
ただ本当に本当に本当に本当のことなんだ
やめないやめない 君は何でやめない?
見つかれば殺されちゃうくせに
雨上がりに忌み子が二人
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
♪
日が暮れて 夜が明けて
遊び疲れて 捕まって
こんな世界僕と君以外
皆いなくなればいいのにな
皆いなくなればいいのにな
知らない知らない声が聞こえてさ
僕と君以外の全人類
抗う間もなく手を引かれてさ
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
知らない知らない
僕は何も知らない
これからのことも君の名も
今は今はこれでいいんだと
ただ本当に本当に本当に本当に思うんだ
知らない知らない
あの耳鳴りは
夕焼けの中に吸い込まれて消えてった
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