雨が降った 花が散った
ただ染まった頬を想った
僕はずっとバケツ一杯の月光を呑んでる
本当なんだ 夜みたいで
薄く透明な口触りで
そうなんだ、って笑ってもいいけど
僕は君を待っている
♪
夏が去った街は静か
僕はやっと部屋に戻って
夜になった
こんな良い月を一人で見てる
本当なんだ、昔の僕は涙が宝石で出来てたんだ
そうなんだ、って笑ってもいいけど
声はもうとっくに忘れた
想い出も愛も死んだ
風のない海辺を歩いたあの夏へ
僕はさよならが欲しいんだ
ただ微睡むような
物一つさえ云わないまま
僕は君を待っている
♪
歳を取った 一つ取った
何も無い部屋で春になった
僕は愛を、底が抜けた柄杓で呑んでる
本当なんだ 味もしなくて
飲めば飲むほど喉が乾いて
そうなんだ、って笑ってもいいけど
僕は夜を待っている
♪
君の鼻歌が欲しいんだ
ただ微睡むような
物一つさえ云わないまま
僕は君を待っている
君の目を覚えていない
君の口を描いていない
物一つさえ云わないまま
僕は君を待っていない
君の花を知っていない
君の頬を想っていない
さよならすら云わないまま
君は夜になって行く
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