得意じゃない料理の腕を
磨こうと健気な君が過ごす
キッチンが今日も騒がしい
「覗かないで」「期待しないで」
後ろからこっそりお尻でも
触りたくなってくる
ちゃんとレシピは見てるかな?
目分量じゃないかな?
火傷にも注意して
ほら冷めない内に盛り付けて
出来上がりはいつも
似たような見た目だとしても
何でかな不思議
おかわりの数も多くなる
少ししょっぱくても
肝心な何かが欠けていても
目の前の君とのセットで
そそってくるんだ
いろんな欲が
♪
お世辞じゃない君の成長を
隣で眺められる特権に
期限なんてあるのかな
口にしないでよく噛みしめよう
飲み込んだ思いを消化して
うまく伝えられたらな
そうだレシピ通りじゃない
展開にも備えとこう
喧嘩にも注意して
ほら冷めないうちに取り戻そう
仲直りはいつも
君から仕掛けてくれるから
その度に感じる
器の大きさの違い
歳の差だとか育った
環境も関係はない
今ここにある材料だけで
なんとかしなきゃな
何が出来るかな
君が作ってくれるご馳走を
カテゴライズするのはナンセンス
口の中から胸の奥まで
満たしてくれるものはなに?
灰汁が強めの二人だから
じっくり時間かけていこう
洗い物なら任せて
♪
出来上がりがいつも
似たような見た目に見えたのは
ご馳走の向こうの
君にただ見惚れてただけだ
この先に出会う
初めての食感も味も
味わっていたいな
お皿の向こうの君とセットで
少ししょっぱい思い出も
甘酸っぱい幸せと
あえて君だけの味付けで
魔法にかけて
全部平らげよう
♪
得意じゃない料理の腕を
磨こうと健気な君が過ごす
キッチンが今日も騒がしい
その音が愛おしい
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