おごりたかぶりあれだけ騒いでいたラウンジの客たちでさえ、
ピアニストが「蛍の光」のコ―ド進行をなぞったなら、
そろそろ潮時かとおとなしくなって、
いそいそと帰り支度を始めるそうだ。
それはまるで幼い頃、夕暮れの校庭に低く流れた、
下校をうながすショパンやドボルザ―クの調べが
焼き付けた効果なのかもわからない。
遊びやら恋やらをやめなかった代償で、
真っ白な霧にこの世界が覆われたなら
下校を教える調べを高い灯台の上から恋人を失った者が
螺旋階段を登って鳴らすべきなのだ。
男は世界に下校を告げる。
霧笛の調べで帰りを知らせる。
螺旋は踏むごとに消える。誰も降りてこられないように。
覆われ
やがてくるまれたら
繭の中で生きるよう
真っ白な霧は
闇に等しく
子供ら
手探りで遊ぶよ
恋をした娘は
真っ白な霧が
闇に隠した
町のはずれの
朽ちた灯台
だけど霧笛は鳴らせると聞き
男は螺旋登っていった
すぐに霧に消えた
霧笛を今
低く鳴らせ
遊びをやめぬ子らに届くよう
濃霧、消えた娘、耳にも響け
霧笛よ今
調べとなれ
それはさ、昔聞いた
調べさ
夕陽、下校、教えてくれてたメロディー
闇の中でさえも
誰もが
そろそろ帰る時と
気付くさ
大切なものを
待たせている場所へ
霧が晴れたら
陽が射すだろう
輝きだすよ
帰り道が
霧笛を低く
鳴らせ
昔に、聞いた、調べとなれよ
夕陽、下校、教えてくれてたメロディー
闇の中でさえも
誰もが
そろそろ帰る時と
気付くよ
大切なものを
待たせてきた場所へ
霧が晴れたら
輝くから
帰り道が
だからさ今
流れろ
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