上州しぐれに はぐれた鴉
ちょうど似合いの いそぎ旅
なみだ雨かよ 残した女房(ひと)の
責めているよな 濡れススキ
ああああ 赤城恋しや 里あかり
「お月さん、又、あっしに
仲のいい二人連れを見せつけるんでござんすかい...
手前の連れは影法師... 風がやけに身に沁みやす。」
すねて三年 追われて二年
たして五年の 流れぐせ
夫婦(めおと)雲とぶ 旅空みても
どうせ浮世の ひとり独楽(ごま)
ああああ 明日は何処(どこ)やら 風にきけ
草鞋(わらじ)止めた 筑波(つくば)の宿で
どこか空似の ほつれ髪
泣いているよな 雨音きけば
思い切ない 三度笠
ああああ 赤城悲しや 里ごころ
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