幾千回 脳内でリピート再生
余すところなく丸暗記したミュージック
友情も努力も勝利も似合わない青春に
仕方がないから鳴らされた革命歌
人目につかない程度のヘッドバンギング
ドラムも叩けないくせに刻むビート
音漏れするかしないかの瀬戸際の音量で
心の中は暁色に染まった
モラルがひどく欠如した電車を飛び降りて
生活指導の奴らの包囲網を抜けて
ひとり 登下校中
ヘッドフォンの中は宇宙
唇だけで歌う
自分の歌だとハッキリわかったんだ
億千回 脳内でリピート再生
好き嫌いの次元じゃなくなったミュージック
国語の試験で書いたら零点の日本語で
心の中は山吹色に染まった
終業のベルで一目散
牢獄を抜け出した
一緒に帰る友達がいなくてよかったな
ひとり 登下校中
ヘッドフォンの中に夢中
音も出さずに歌う
君が歌うから世界は輝くんだ
♪
たった一秒のあの旋律が
たった一行の言葉遊びが
揺蕩う僕の光になったんだ
自己啓発本みたいな歌に騙されんな
大人になればわかるなんて嘘だ
ひとり 登下校中
ヘッドフォンの中は宇宙
唇だけで歌う
ひとり 登下校中
ヘッドフォンの中は宇宙
唇だけで歌う
自分の歌だとハッキリわかったんだ
瞳を強く閉じる
掌に汗が滲む
何故か顔が綻ぶ
孤独な春に閃光が走ったんだ
さよならなんて
今すぐ撃ち抜けミュージック
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