光の失せた瞳に
色が馴染み滲んだのは過去の果て
背に架せた重さに何故か
生きる意味も価値も貰っていた
この砂漠の海に漂い
見えぬ遥か先も舞うのは礫
あなたのいない 夜は長く
荒い気息一つ 掠れ残った
これ以上もない痛みを
失うほどに 追いかけ
あなたを思えば 思うほど
私は灰となるのだろう
いつになれば触れてくれるのだろう
思い馳せたメロディと共に
身体中走り回った恐怖を
この胸の中抑えている
いつになっても返ってはこない温度に
伝えられぬ愛は積もり溶けた
気づかないまま静かに満ちていく
全ての終わりを待っている
例えられない淋しさは
重ねた時の雨に埋もれていく
優しさで編んでくれた
憶い出 ほどけて 面影も失くした
羨望も絶望も
いつかは水溜りのように溢れていた
募り過ぎた殻のこの身が
乾涸びてしまうのはどうしようもない
言葉にならない高鳴り
最後に教えてくれた
伝えることさえ 出来ないまま
あなたはもう戻ってこなかった
ねえ 教えて この狭い広い世界の
どこにあなたの心は眠っているの
この地に私が生まれたわけは
今はどこにも どこにもない
夢が見せた景色が離れず震えた
ここにはない 温もりを求め歩いた
傷だらけ褒めてくれた指先で
冷たい体 抱き寄せた
熱を帯びた 雫が落ちた
終わる間際の頬に流れた
もう触れてくれることのない
あなたと私は灰になる
いつになれば 触れてくれるのだろう
思い馳せた 砂の降るこの世界で
崩れ壊れる ガラクタの体 二人を
遠く彼方へ 運んでいく
いつか私達また空の下で会えたら
ただの旅人同士だ その時は手を繋ごう
叶うかな 叶うのならば 砂の中
私は終わりを待っている
あなたの始まりを待っている
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