日常に開いた傷口
グズグズに膿んだそれ見苦しい
のにどうして目が離せない?
いたいけな悪魔のよう
死んだ魚の目の奥にコール
胸の中心のヴァニタスに問う
悲しみとはなんだろう?
奈落の底では知り得ないよ
ひらりひらり
黒い揚羽が誘うように舞って
うつつと極楽が混ざって
じわりじわり
気づいていたんだ
地獄がすぐ隣で待っているって
歓べよ!
きみの愛した世界も
この街の誰も彼も、死に向かう人々
踊れ!
その歓び平らげるまで
恐れ、嘆きながら、受け入れればいい
塞がれていた地獄の口が開く音が
鳴き止んだ後に、何が残るというの?
♪
日常に誰かが線を引く
瞬きする間もなく幕を下ろす
赤子さえ時間がない
また太陽が沈むよ
エンドロールが終わっても業は消えない
徒に過ごした日々は帰らない
どんな月曜日も
愛おしいものだと思えてしまうだろう
ゆらりゆらり
底のないコールタールの海辺
座礁した顔のない亡霊
どろりどろり
零れていく
憎しみも苦しみも愛も喜びも
日常の続きの永遠の蛇足に
きみは目を背けて忘れたふりをした
そこで待ち構えるニル・アドミラリ
抜け落ちた何かに渇き飢えるだろう
塞がれていた地獄の口が開く音が
鳴き止んだら、きみはきっと泣けもしないぜ
♪
琥珀に住まう羽虫も、灰になった文明も
時計盤の砂漠を征くキャラバンの中
歓べよ!
きみの愛した世界も
この街の誰も彼も、死に向かう人々
踊れ!
その歓び平らげるまで
恐れ、嘆きながら、受け入れればいい
人間の愛すべき隣人を忘れぬように
今日という日の花を摘んで束ねたブーケを飾って
塞がれていた地獄の口が開く音が
鳴き止んだ後に、ただ青い空があった
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