向こう岸のことやら
くだんないことばかり恐れて
ありもしない正しさの奴隷さ
ちゃちな走光性
夏の夜の火に身を焦がして
音も立てずに散って逝く
あの羽虫のように終わりたいんだ
追えば追うほどに逃げてしまう
あの太陽へと近づいて
羽の溶ける音を聞く
丸々と肥えた自意識で
臆病な僕らが身を隠したって無駄
彼は天井から見ている
すぐに見つかってゲームは終いさ
逃げ切れなくなって僕ら
騙されていく
騙されていく
見せかけの太陽に皆
喰われちまって
壊れちまって
正しさはもうどこにもないんだ
♪
どうして天の賜った言葉の導くままに歩めないのか?
為す術なく塔は落ちる
んで馬鹿はいつも悲劇を招く
分断され惑うばかり
孤独な僕らの怯えた眼
白く濁ってたんだ
燃えるピアノ
破られた絵画
四肢をなくした踊り子が喘いでいる
些細な悪意が群がって
蓮のように醜く爛れた国で
息を潜めて
逃げ切れなくなって僕ら
騙されていく
騙されていく
見せかけの太陽に皆
喰われちまって
壊れちまって
正しさはもうどこにもなくて
上手く隠れたはずなのに
足音がすぐそこに来ている
僕らの頭上にずっと
生温い視線が向いている
一人として逃げれやしないんだ
顔を上げて鬼と目が合って
慈しみの罰が下るまで
♪
向こう岸のことやら
くだんないことばかり恐れて
孤立していく僕らは
何に縋って生きてゆくのだろう?
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