"終"を待っている
エンドロール、文字の
羅列に酔っ払って帰る
「この映画、つま...」
刹那、頭上から
灯が落ちて降り注ぐ
僅かに憶えている
黒い服を着た男が
少女の眼を伏せるのを
見知らぬ天井、翳す手に
包帯を巻いて横たわっていた
逆の手でドアを開ける
飛び込むポスター
"貴方に救える命がある"
「はは。こんなのどうせ、
誰一人見ちゃ... いない...?」
「誰か、誰か来て!」
叫ぶ黒服の傍を過る
振り返る人もなく
孤独に臥すあの少女は
やはり眼を閉じていた
イヤホンから流れる
赦しのない音楽
携帯に灯される
焼き増しの絵画
迷える怒りを乗せる
ボトルシップ、次は
何処に打ち上がる
僕らが集い、謳う
シュプレヒコール
「今日も世界は平和だなぁ」
彼方、空を埋める
雲を割き微笑む星の群れ
来世には忘れて往こう
少女が泣いて手を振れば
世界が朽ちるのを
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