愛想がつきたようなんだ 僕に
廃頽十九の傘に灯がついてる 今日も
十二時過ぎのアスファルトに
落ちた君の 小さな命の重ね火を そっと
雨が途切れたら朝に藍がかかる
蛍光色の羽と濡れた君の手に縋った
夏蝉 空の果て
褪せた唄は耳に溶けたまま
君の声が響く 夏の隅を
街に泳ぐさかなのように
エンドロールにしがみついてる 今日も
一人何かにすがって息をする 明日も
誰かの声が重なっても 僕ら
席を立つことも忘れてしまってるようで
夏の花束は風鈴の影に
水に溺れてる君の言葉が歪むんだって
夕凪の片隅
君の影は空に揺れたまま
空蝉の形を傘の下に
いつか消えた蝉時雨と
♪
カラスが鳴くからうちに帰ろう
陽の落ちる街にさざめいた夕焼けに泣かないように
蛍火 空の暮れ
夏が終わる 君の声がただ
少しかすれてゆく 薄れてゆく
茜を背に
夕闇 空の果て
褪せた夢は君を染めて
今蝉の唄が止まる かすれたまま
カラスの鳴く鳥居の下
君が笑う 夏の隅で
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