さあさ 終わりにしようか
見え透いた木偶の星は
消えた
反対のバスに乗ろうか
泣き濡れた夜を茶化して
逃げ出した
踏みにじられた藍の庭
さかさに朽ちた三輪車
二重の影がたゆたう
はぐれたわけじゃないのにな
どちらさまからと笑う声
「あなたも迷子ね」
そっと手を そっと指を
「ないしょだよ」
意味はないのにな
それが光っていた
ぜんまい仕掛けを五回転
錆びついた喉でも愛を
伝うよ
放言主体の遺書を描いて
笑いあった日々が無性に
恋しいんだ
「わたしはきみの迷子なの
裸足で震え泣いてたの」
二重の影が交わる
背中合わせで目を閉じよう
そらで口ずさむその歌を
いなくても聴きたいから
気づいたろう
ごめんねも
さよならも
くだらない言葉
ふれたあとには
寄せた肩は気休めなんだろう
振り返るのは僕だけなんだろう
あとふたつ
あとひとつ
ただ
数えてた
遠い灯が
かすんでも
その歌は
情けないほどに
胸に残っていた
さびしさも (さびしさも)
ふれたさも
愛してやろう
きっといない君が
くれるものだから
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