大人になったら助けに行くよ
あの場所で待ってておくれなんて
昔々の勝手な約束でサクラノ前夜に君はいない
それでも僕は待ち続けたよ
僕がいるよと微笑むときの
君の笑顔を見ながら満開の桜を眺めたかったから
月明かり降り注ぐ満開の
かみさまの樹の桜の下で
息を切らせてやってきた君は傷だらけ
傷だらけ 傷だらけ
傷だらけ (傷だらけ)
なんと なんと なんということ
僕は今まで本当の君を見たことがなかったようだ
瞬く星 散りゆく桜
血と涙と生傷がきらめく
きれいな君の醜い姿に
助けを求める儚いかおに
僕はひとめで
恋に落ちた
好き 好き 好き
好き 好き 好きだよ
美しい君が傷だらけの姿が
好き 好き 好き
好き 好き 好きだよ
微笑みながら血塗れの手で涙を拭って
心も体も生傷まみれ
ふらふらの後ろ姿見ながら
僕は記憶の中の君より美しいものを見つけたようだ (ようだ)
嗚呼
走る 走る 君に逢わずに
僕は走るよ、君の家まで
君より早く先回る
君と僕の二人の世界で
誰にも見えない閉じた世界で
今の僕にはなんでもできる
騒ぐ大人を黙らせることも
できる できるよ、閉じた世界で
僕がもっと君を美しくできるよ
好き 好き 好き
好き 好き 好きだよ
美しい君が傷だらけの姿が
好き 好き 好き
好き 好き 好きだよ
僕ならもっと君を美しく傷つけられる
記憶の中の君の笑顔じゃもう生きていけない
僕はもっと美しい君の姿を知ってしまった
嗚呼 嗚呼
桜はすぐ散るもの サクラノ後夜
記憶の中の君の笑顔は
かみさまの樹の桜とともに
美しく儚く散りゆくだろう
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