夕暮れのニュータウンをぬけて
列車がホームから 各駅で出ていった
つゆあけのまえの校庭に
まばらな制服が ここから小さく見える
きみを失った改札がもうじき右にくる
踏切の音がきこえる
あれほど毎日きみだけを思って暮らしてた
町が少しも変わらない
これから何処へ行こうか
どこかでおびえるスパイのように
人波やビルに流されて
無造作に夢さえもなくしてた
♪
りんどうが看板にゆれる
ドアがあくときみがそこに立っている気がする
重ねたカバンとカーディガンと
人にもまれながら笑ったきみがそこにいる
これから何処へ行こうか
暗号が解けないスパイのように
眠れない夜が過ぎてゆく
しばらくはこのままでここにいる
♪
泣きだしそうなはげしさできみは
埋もれそうなもどかしさできみは
はみだしたぼくの気持ちを救ってくれた
抱きしめるあたたかさだけが
胸を刺すようなぬくもりだけが
少しくらいあれば 生きてゆけるのに
これから何処へ行こうか
どこかでおびえるスパイのように
これから誰を愛そうと
この場所も横顔も忘れない
これから何処へ行こうか
暗号が解けないスパイのように
町の灯が全て消えても
しばらくはこのままでここにいる
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