さようならした 優しかったから
シーツから伝わる体温や 毎日灯のともる家や
涙を拭う手は どれだけ近づいても遠かった
季節を告げる風が ほら
シロツメクサを撫でた
かわいくも綺麗でもなかったのは
君がいないからかな
時間が経てば 魔法は解けた あとは風に吹かれるだけ
悲しみを過ぎて 辿り着いた愛の跡地は からっぽだ
光もなく 希望もなく 命もなく 心もなく
ただ流れる時間に錆びていくだけ
絶望もなく 混乱もなく 憎しみもなく
何もないことすらもない
君はどんな顔してたっけ
笑っていたっけ 泣いてたっけ
幼い二人は同じ傷を作った
お揃いの秘密を大切に
同じような愛や恋が他にもあるとは知らずに
シロツメクサを少し摘んで
花冠を結わいてみようかな
眩しさに負けた僕らは
今も同じ 同じまま
時間が経てば 魔法は解けた あとは風に吹かれるだけ
悲しみを過ぎて 辿り着いた愛の跡地は からっぽだ
一緒になって 夢中になって
作り上げた 魔法の
あの場所はもうどこにもない
希望も無い 光も無い 何にも無い
思い出すことすらもない
君はどんな顔してたっけ
笑っていたっけ 泣いていたっけ
悲しみを過ぎて 少し歩けば
色も匂いも空気も無い
からっぽで ただからっぽで
何にもないことすらもない
思い出通りを横切って
優しさの坂を下って
ぬくもりの山を越えれば
ここは愛の跡地だ
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