久しぶりに訪ねた
友達は少し
やせて見えたけれど
悪くはないね
スーツ姿でいつでも
飲み会に遅れて来た
あの頃の面影が
どこにも見当たらない
花屋に転職したと
打ち明けた時に
驚かなかったのは
僕だけと言うけど
いつも一生懸命
何かをしてたから
君なら何だって
平気だと思ってた
手がね
ぼろぼろに なっちゃうんだよ
恋人の写真を
ながめるように
手のひらをじっと
見つめながら
君は笑ってた
本当に笑ってた
それは生きていることを
誰のせいにも
していない笑顔
僕も同じように
いつか笑いたい
この先に続く道にも
足跡を残したい
"あじさいは切口を
少し火で燃やすんだよ"
僕の知らないことを
教えてくれた
つらくなった時だけ
それでも何もないふりで
会いに来る自分が
少しはずかしい
じゃあね
別れ際に 握手をした
君の手のひらは
ひびわれてて
とてもかわいて
いたけれど
とてもあたたかいね
本当にあたたかいね
ちょっと枯れかけた 気持ちに
そっと水をまいてくれる
ナイショにしていた
落ちこんでること
気付かないわけはないよと
君の手が言ってた
僕も笑えるよ
きっと笑えるよ
自分が生きてることを
誰かのせいに
するのはやめよう
どちらかと言えば
やわらかい僕の手が
いつか誰かに何かを
伝える日が来るように
いつか誰かに何かを
伝える日が来るように
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