慾(よく)を覘(のぞ)くは無垢(むく)なる虚 (うつろ)
妖(あや)し影(かげ)ろふ白絹(しらきぬ)の袖
月影の煩悩(ぼんのう)に成り合わぬ華々(かか)は開き
絡み合ふは胡蝶(こちょう)の舞 刹那(せつな)の海に遊び
戯(たわむ)れの冥闇(めいあん)は重なりて 此処(ここ)まで御出(おい)で
乱れひらひら 下弦(かげん)の月 夭夭(ようよう)と揺れる
常若(とこわか) 舐(なぶ)れば花弁(はなびら)綻(ほころ)び 極楽浄土(ごくらくじょうど)へ誘(いざな)う宴(うたげ)
常宵(とこよい) 開けば浮き立つ鬼灯(ほおずき) 艶(つや)めく化粧(けわい) 悦楽(えつらく)の笑み
丑三(うしみ)つ時から始まる恋は
雷魚(らいぎょ)の舞にて狂い出す
潮の香りだと心得違(こころえたが)えば
魔性(ましょう)の最中(さなか)
宝の蛾眉(がび)の誘惑(ゆうわく)に浮かれ
老婆の謀(はかりごと)に堕(お)ちて
浮世(うきよ)離れした愉悦快楽(ゆえつかいらく)は
夢うつつの狭間(はざま)
藩(まがき)の果ては死穢(しえ)の朝露
泡沫の夢は万華鏡
惑(まど)いの蒼は青き追憶(ついおく)
竜胆(りんどう)の唄が滔々(とうとう)と
嗚呼...
邂逅(かいこう)其(そ)れは誘(いざな)い理想卿(りそうきょう)
数多(あまた)の月日も無(む)の如く 儚く散り果てる
体躯(たいく) 蝕(むしば)みて精神の交錯(こうさく)は 因果応報 夢幻(むげん)と戯(たわむ)れる
理性のない 無性(むしょう)の靄(あい) 魔性の愛 泡となり 願えど潰(つい)えて限り無し
命、散り逝く其の日まで
藩(まがき)の果ては死穢(しえ)の朝露
泡沫の夢は万華鏡
惑(まど)いの蒼は青き追憶(ついおく)
竜胆(りんどう)の唄が滔々(とうとう)と
愛しき花よ もう秋霞(あきがすみ)
夢... 現... ただ鱗々(りんりん)と...
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