年上の彼は煙草に火をつけた
横顔を見てるとあっという間に
半分より短くなった煙草が
なんだか妙に可哀想になった
しかしそれが世の常と思った
彼の口に咥えられた一本の煙草が
一利もたらしたと思った
限界まで奉仕した体を
押し付けられて終わる生涯は貴方にとって
どんなものだったのだろう
♪
さよならなんて言わないでもう
それももう言えないのね
思い出せなくなったときに思い出して
子供みたいな口癖を下手に隠すのがらしかったわ
少しだけ気取った日には
目と目が合う気がしてた
♪
透明なんてものより確かに濁ったそれさえ
クリアに見えた二人はゲームオーバーね
彼の口に咥えられた一本の煙草が
一利もたらしたと思った
限界まで奉仕した体を
押し付けられて終わる生涯は貴方にとって
どんなものだったのだろう
♪
私が泣いて済むことも
笑って済ますことも
重いだけ分かってたってもう癖になって
冷めないまま口付けた缶コーヒーの様でさ
火傷になって気付くようじゃ遅いかもね
いつも通りさ
支配する苦みさえ慣れてしまった
さよならなんて
もう傷口を塞ぐためだけの
絆創膏を貼る行為や
春の恋もやめにしよう
大人のふりや口付けが
上手なあなたを想ってたよ
煙たくも苦くもないのがお似合いなの
もう要らない
もういない
年上の彼は煙草の火を消した
横顔を見てるとあっという間に
半分より短くなった夜に
なんだか妙に可哀そうになった
それがあたしの常と思った
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