夜に開く 可憐な花を
月が照らす
艶やかに照らす燭が
重なる影を揺らす
吐息から零れる偽りの
甘美い囁きたち
ハラリ 花
舞い散る 戻らぬ 刹那
夢幻へ迷いこむ
運命に捕らわれた身を
慈しむこともせずに
サラリ サラリ 溢れる涙
夜露に散る
幾千の夜を越えて
愛が朽ち果てる頃
胸の中 芽生え始めたもの
抑えきれずに今
淡く 輝く 夜空の焔
紅く灯る月明りが
密やかに 心焦がす
トクリ トクリ 脈打つ鼓動
謳う生命よ
等しく 蜜を与える
花の如く
夢幻へ誘いこむ
ここへ おいで
儚い夜の 御伽噺
紅く灯る月明りが
密やかに 心焦がす
熱く火照る軆よりも
心が紅く燃える
果てしないこの夜空
深紅の月が統べる
煌めくこの浮き世では
私が月となろう
フワリ フワリ 彼方の月と
奏でる詩
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