古臭いままの映画館で
君と見た景色が
忘れられないのさ
言の葉を乗せた想いさえも
ひらり舞うように
また同じようにと
薄暗いままの一人の部屋
ただ窓を見ていた
小春日の頃に
街行く人 流れる景色は
春を描いていく
失くさないように
とまらない風が吹いていく
麗らかな空に手を伸ばす
夕の中曇る思い出が
雲一つもない空に消えていく
また登る坂道を描く思い出を
なぞる先に見えた懐かしい君の顔を
日の沈む頃待ち合わせたこの場所は
一人でも暖かいまま
今でも思い出すエンドロールを
照れくさい笑みを浮かべる君
楽しそうな顔をしていた日
色の褪せることのない記憶は
映画のような思い出に変わる
冷たい雨が目を濡らす
侘しい声が春に響く
優しい風に身を任せ
木漏れ日の下で
ただ君を待っていた
また揺れる空赤く染まる花弁を
辿る先に見えた懐かしい君の声を
いつもの場所ただ春を待つその場所は
一人でも変わらないまま
消えゆく記憶に残すのは
温かな笑顔と優しい君の声だ
寂しげな笑みを浮かべては
真っ白な世界に消えていく
霞む眼に映る美しい春の木を
透ける手になぞる雨すらも優しくてさ
明け方に瞬く星のようだった君は
麗らかな春風に揺られている
今なら忘れるエンドロールを
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