降り続けて積もる過去は 冬と見まがう景色
訪れぬ次の季節を 知りながら目を閉じる
望む事が 鎖になるならば 帰るところなどいらない
この胸の奥深く ただ息を殺して
咲かぬまま潜む 紅の花を 震わせるものは
遠いあの日に出会い 交わさずに別れた
追憶に生きる かの人の面影
愛よ眠れ 覚めぬまま
凍てついた白い記憶が 時折生む幻
ぬくもりに誘われても 惑わずに背を向ける
願う事が 枷に変わるならば 安らぐ場所などいらない
香る言葉秘めた 唇の花弁を
かたくなに閉ざす 沈黙の花を 紅く染めたのは
はやる鼓動にたぎり 駆け巡る血潮と
燃え上がり熱く 盛り猛る焔
愛よ沈め 解けぬまま
冷たい月の (チルコトヲシラズ)
降らす光が (カレルコトモナイ)
照らし出す 決して相容れることなき影
この胸の奥深く ただ息を殺して
もう二度と咲かぬ 紅の花を 今 ひとつ手折り
褪せる事なく光る 微笑みと涙を
追憶にみせる かの人に捧げて
愛はここへ 置き去りに
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