行きずりの女は
乾いたガーゼの匂いがした
生い立ちばなしぽつり
話すことは つじつま合わずで
まなざしの行方が
飲むほど ぼんやり 定まらなく
したたかに見え
時折 幼い目つきをする
淋しい風の音
体を吹き抜けていく
旅立つ明日には
どれだけ こだわり 残るだろうか
せめてからりと晴れてくれ
陽気にサヨナラ言うために
せめてからりと晴れてくれ
ちょっと軽いメモリー
♪
行きずりの女は
路上でヒールをかかげていた
ブレーキ踏めば すぐに
気安く 車に ひらりと飛び乗った
訳ありの気配に
いっさいふれずに 世間ばなし
名前も聞かず
ひと晩 背中で 寝息を聞く
何故だかいとしげな
気分がすり抜けたのは
淋しい頬の影
疲れた寝顔に かすめたからさ
せめてからりと晴れてくれ
陽気にサヨナラ言うために
せめてからりと晴れてくれ
ちょっと軽いメモリー
せめてからりと晴れてくれ
陽気にサヨナラ言うために
せめてからりと晴れてくれ
ちょっと軽いメモリー
サンキューメモリー
ちょっと甘い夜に
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