己が内に「其れ」は在り
幾ら照らせど紛れ込む
背を向ける度
鳴き喚く
千姿万態の有様
千言万語喧しい
気が狂れる
♪
寄らば大樹の陰と嘯き
風と戯る羽根の如し
ひらひら...
首傾げる私を笑う何方
そんな何方を私が笑う
右を向けば右にぞろり
左向けば左にぞろり
後ろはぐちゃぐちゃ犇めく
目の前は一面の無垢
果たして... 罰して欲しいのか
果たして許して欲しいのか
果たして殺して欲しいのか
将又... 愛して欲しいのか
べたべたべたべたと撫で回されて
誠... 誠に非ず 故に
嘘... 嘘に非ず
ただ... 目に見えぬ「何か」を恐れては
来る...
独法師のかくれんぼ
塗り潰した闇に谺するのは
「これが私、他は知らぬ存ぜぬ」と唄う声
ただ... 目に見える「何か」に怯えては
狂ぅ...
叫びが舞う
金切りの宵
さぁ、鬼が出るか蛇が出るか
傷を突き合う成れの果て
痛みに咽び
鳴いた
もう幾つ寝ても...
べたべたべたべたと撫で回されて
誠... 誠に非ず 故に
嘘... 嘘に非ず
ただ... 目に見えぬ「何か」を恐れては
来る...
独法師のかくれんぼ
塗り潰した闇に谺するのは
「これが私、他は知らぬ存ぜぬ」と唄う声
ただ... 目に見える「何か」に怯えては
狂ぅ...
叫ぶ痛み
♪
きりきりきりきりと唄い上げれば
全て在るが故に全てが無い
ただ... 目に見えぬ「何か」は初めから
抱卵...
ずっと此処に
羽根を広げて
声高らかに
「これが私、他は知らぬ存ぜぬ」と唄う声
ただ目に見える「何か」は初めから
ほら...
今宵は
羽化の宴
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