歓声も無く幕は下りる
余りに呆気なく終わって
振り返って歩き出した
明日無き明日への道を
両手で覆い隠した顔に
一筋乾いた涙の跡
真っ赤な目で繋ぎ止めて
生きていることの証明を
窓の外に登りゆく朝日
カーテン越しに目が眩んで
眩しすぎる世界にまた
自分の無力さを知った
そうだ、ざんざんと泣く様に
雨は降り出せばいい
灰色の心に傘が咲く
そして潭々と溜まった
水溜りに流して
間違いも、正しさも、
優しさも全部
持て余した情熱の断片
やり過ごした時計の針を
全部詰めて走り抜けた
迷う隙も無いくらいに
僕等は手を取り合って
僕等はただ傷付け合って
何を紡ぎ、何を描き、
何を残せたのだろうか
そうだ、ざんざんと泣く様に
雨は降り出せばいい
止まぬ歓声の様に空が泣く
そして閑散とした街に
色鮮やかに咲いた
傘はひしめき合ってまた
賑わう様に
塗り潰したい過ちだとか
栄光だとか、全ては霞んで
消えてしまえばいいんだ
さぁもっと強く打ち付けて
聞こえなくなるまで
歓声も無く幕は下りる
当たり前に日々は続いて
滲んでゆく光にただ
手をかざしてサヨナラを言った
いつか通り過ぎる様に
闇に溶けていく様に
思い出に変わって忘れていく
振り返ることは無く
閉ざされた世界で
ただ静かに息を吸って
息を吐いて・・・
そうだ、ざんざんと泣く様に
雨は降り出せばいい
灰色の心に傘が咲く
そして潭々と溜まった
水溜りに流して
間違いも、正しさも、
優しさも全部
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