いつもは誰もいない堤防に登った
夜が映る 黒い水面
君がボソッと言うけど うまく聞こえないんだ
ドウンと響いて弾ける光
ぼくのことなら心配ないよ
君らしく 君でいて
二人で見たその花火は 水の輪のように広がって
きっとこれでフィナーレだよって 君が言うたび
花火はまたあがるんだ
花火色に染まる君の白い浴衣
風に混じった火薬の匂い
あともう少しで届くかもよ
君一人で もうとべるよ
手を伸ばしたら触れそうだな 夢も花火もそこにあるのに
あっという間に闇の中へ 眩しい光は吸い込まれ消えた
君とぼくの時間が止まる
二人で見たその花火は いくつもいくつも折り重なって
君とぼくと 願いと不安も
全部包んだ 呼吸もできないくらい
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