冷酒でいいのよ コップでいいの
おじさん一杯 飲ませてね
土地の男も 港を捨てる
こんな季節に 女がひとり
ふらり舞いこむ 雪のれん
北国しばれる 浜通り
指でこうして 温めていると
お酒が過去を 連れてくる
気障な台詞ね お笑い草ね
惚れた男の 後追いかけて
情一途の雪のれん
くぐって怪我して泣かされた
窓の硝子を 吹雪が鳴らす
汽笛がちぎれて 沖で泣く
背伸びしたって 見えない明日
濡れた小指は 涙じゃないわ
春をかくした 雪のれん
酔ったら見えそう 夢あかり
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