カメラロールのなかに
笑った僕らがいる
何が可笑しくて笑ったのか
それは忘れたけど
君が一口くれて
齧った氷菓
あれはどんな味がしたのか
それも忘れたけど
住宅街包む夕の景
回想を誘う蝉の時雨
シャッターを切らないような見慣れた瞬間に
すべてが詰まってた気がして
もう会えないや
液晶に映る君
もう言えないや
「明日は何する?」
賞味期限のない氷菓みたいに
いつまでも甘く
いつまでも淡く
いつまでも笑う
いたずらに増えていく
その分離れてしまう
青い矢印の標識は
現在に訴えている
あの頃もピンとこなかった
あの頃も欲しくはなかった
幸せになるための法則を
僕は解けないままだ
もう会えないや
液晶に映る君
もう言えないや
「明日は何する?」
賞味期限のない氷菓みたいに
いつまでも甘く
いつまでも淡く
いつまでも笑う
君だけが解けてく
フェードアウトしてく
スクロールする度に消えてく
僕の知らない場所
僕の知らない人
君が今生きてる世界へ
もう会えないね
液晶に映る君
もう言えないね
「明日は何する?」
賞味期限のない氷菓みたいに
いつになっても
今になっても
もう会えないね
液晶に映る君
もう言えないね
「明日は何する?」
それでもぜんぶ 偽りのない日々
いつまでも甘く
いつまでも淡く
いつまでも笑う
溶けない夏の日
いつか振り返るかな
今年のこの夏の日も
現在目に映している瞬間に
シャッターを切る
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