それは晴れた昼下がりのありふれた出来事
図工の授業で風景画を描いていたときの出来事
「この色キャンディみたいだね」と誰かが笑った
「ほんとだ 絵の具じゃないみたいだね」と別の誰かも笑った
その筆は僕の口元に差し出され
「ほら舐めてみろよ」と女は笑った
抗うよりも応じる方が痛くされないと
僕は知ってた 僕は知ってた
強かな人になろうと誓った
誰にも期待などしなかった
あの人たちが正しいなら
僕は世界でも敵に回そう
愛はどんな味でしょうか?
友情はどんな形でしょうか?
毎日のように差し出された
キャンディの味を僕は忘れない
♪
それは雨が降り出した夕暮れ時の出来事
下校中大切にしていた傘を開いたときの出来事
雨の日も楽しめるようにと母が買ってくれた
大好きなキャラクターが大きくプリントされた傘
木の枝で叩かれていくつも穴があいてた
「この方がお前によく似合う」と笑われた
それ以上傷つけられるのを見ていたくなくて
僕も笑った 僕も笑った
憎しみの色に染まらないように
馬鹿な大人にならないように
あの人たちが何をしても
やり返すことだけはしなかった
川辺の土に傘は埋めた
落として流されたことにした
毎日のように空想の出来事を
家族に話しては笑っていた
♪
それでも世界は回り続けてた
どんなことも'昨日'になった
涙もあの痛みさえも 怖いほど忘れられると知った
強かに生きていこうと誓った
これは繰り返さぬための歌
追いつめ奪うのが正義なら
僕は世界でも敵に回そう
愛はどんな味でしょうか?
友情はどんな形でしょうか?
毎日のように差し出された
キャンディの味を僕は忘れない
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