三文詩人が起き出すのはいつも日の
出過ぎのスケート・パークで、
ドーナッツ・ショップでコーヒーを買って家路を辿る気ままな生活。
店内で耳にしたあれはPavement。
そういえば髪でも切ろうか、なんて思ったり。
早朝のシフトを切り上げてウェンディはバスに乗り、
大学へ。
イヤフォンに響く高らかなヒット・ソング
聴いちゃいないし、すぐに忘れる。
「気分よくやり過ごすことが大事」
そんなことを思う彼女もきっと、誰かが見てる。
興味ないようなふりをしてても、忘れられなくなる日々のことを
期待していた。
損はない、けれど得もしないような、
ありきたりな特別に捧ぐ、
偉大なレイディオ・デイズ。
♪
テレパスのケイティは恋の結末もプロローグもお見通しだ。
盗み出した電波で熱を上げながら追い越してゆくアイスクリーム・カー。
シネプレックス通いの回数で
現実逃避指数を計っては、
夏を待った。
どうしたいなんて考えてるとき、
街の雑踏も移ろいゆく
サウンドトラック。
正気じゃいられなくなるくらいに
日差しが焼きつけてゆくのは、
あの眼差しだ。
「恋の記憶をかき集めたらこの国になる」
と誰かが言ったらしい。
♪
夕方になってジャクソンはジェーンとベースボールへ
出かけて行った。
ポケットに隠した
指輪の行方をホームの勝利に託してるのはここだけの話 。
そうはない美しい瞬間や、
絵になるような日々のことを
期待したいんだ。
しょうがないほどに輝いてるのは、
ありきたりな特別に捧ぐ、
偉大なレイディオ・デイズ。
「アイスクリーム・カーを打ち捨ててあいつは西へ旅に出たぜ」
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