ひとり旅
見知らぬ街の古い居酒屋で
柳葉魚サカナにひとり 呑んでます
扉あくたび ちょっと風が吹き
洗いざらしの暖簾 めくります
死んだあいつがいたら 演歌なんか
うなりそうな 夜更けです
お一人ですか なんて親父さんに
聞かれ涙ぐむ 夜更けです
店に流れる りんご追分が
旅に疲れた心 ほぐします
ひなびた店でいつも呑んでいた
あいつの気持ち わかる気がします
死んだあいつがいたら 小皿なんか
たたきそうな 夜更けです
おつよいですね なんて言われながら
無理に笑ってる 夜更けです
死んだあいつはどこで 見てるのでしょう
ひとり旅する 淋しさを
大丈夫ですかなんて言われながら
お酒ならべてる 夜更けです
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